上昇フラッグの見方|旗竿・調整・上抜けをMT5実例3つで図解
上昇フラッグは、短い期間で上昇した後に、緩やかに下がる小さな平行チャネルができる形です。先行する上昇を旗竿、その後の調整を旗に見立てます。上側の線を抜ければ上昇再開の候補になりますが、下側へ崩れて調整が深まることもあります。
「どこが形なのか」「どの線を越えたら完成なのか」「完成後はどこまでが候補なのか」を、基本図とXMTrading MT5の実チャート3例で確認します。各例は全体図と詳細図を並べ、起点の価格、成立の終値、候補の計算、到達しなかった動きまで残しています。
上昇フラッグの形を、線と順番で理解する

- 先に目立つ上昇があるかを見る。長い横ばいの一部を切り取って、後から旗竿を作らない。
- 上昇の後の高値と安値が緩やかに切り下がっているか確認する。調整の値幅を先行上昇と比べる。
- 調整中の複数の高値と複数の安値を結ぶ。2本の線がほぼ平行で、同じ小さなチャネルを表すかを見る。
- 上側の線を終値で越えたか、その後もチャネル外に価格が残るかを確認する。旗竿の起点まで大きく戻るなら、短い調整としては読みづらい。
旗竿と旗を、先に分けて測る
上昇フラッグの「上昇」は旗竿の方向です。旗の部分は右下がり、または横向きの小さな調整として読みます。最初に旗竿の始点と終点を決め、その後の高値・安値を別に囲みます。長いレンジの中から都合のよい上昇だけを選ぶと、普通の往復までフラッグに見えてしまいます。
調整の深さは、旗竿上端から旗の最安値までの差と、旗竿の値幅を比べて考えます。深い下落をすべて「上昇途中の休憩」と扱わないことが大切です。旗竿の起点付近まで戻れば、小さな調整としての読みは弱くなります。
平行チャネルの線を、結果を見る前に固定する
高値側と安値側がともに下を向き、幅がほぼ一定ならフラッグです。幅がはっきり狭まるなら下降ウェッジ、上下が逆向きならペナントと比較します。実チャートのヒゲはすべて線へぴったり乗るとは限らないので、単発のヒゲと多数の足の位置を分けます。
掲載例の黄色線は、選んだ3高値・3安値それぞれに直線を当てはめた補助線です。2点を厳密に結ぶ手描き線とは少し違い、途中の点が線の上下にずれます。抜けた足が変わることもあるため、本記事と自分の線の結果を混ぜません。線を引き直して過去の上抜けを消すこともしません。
上側を越えた後、どこまでを候補とするか
ここでは、図の旗竿の始点足終値から持ち合い開始足終値までの値幅をHとし、抜けた足の上側線+Hを候補にします。始点の最安値から上端の最高値までを測る方法とは数値が変わります。Wileyの旗竿を投影する考え方を参照し、始点・終点を表に明示しています。
下がってくる上側線は、価格が横ばいでも越えられます。旗竿の高値更新が伴うか、抜けた後にチャネル内へ戻らないかも確認します。広い相場が下降中なら、短期の上昇フラッグが完成しても、大きな下降が終わったとは言えません。
線を抜けた足の読み方は、ブレイクアウト・ヒゲ抜け・だましの違いも参照してください。この記事では対象時間足の確定終値で線越えを確認します。未確定の足や、一瞬のヒゲだけの線越えとは分けます。
似たチャートパターンとの違い
ペナントは高値が下がる一方で安値が上がり、幅が狭まります。フラッグは上下の線がほぼ平行です。上昇ウェッジは上下とも上を向いて幅が狭まる形なので、右下がりの上昇フラッグと区別できます。『上昇』は旗の傾きではなく、先行する上昇方向を表す呼び方です。
XMTrading MT5の実チャート3例
黒地の緑色の価格バーはXMTrading MT5の過去データです。赤い輪郭、黄色の線、番号と測定候補は当サイトが後から説明用に加えています。3例は形の読み方を示すために選んだもので、勝率・出現頻度の標本ではありません。
時刻はMT5に表示される足の開始時刻で、日本時間の投稿時刻とは異なります。斜めの線の価格は、足が等間隔で並ぶチャートに合わせ、起点間の本数から計算しています。週末の空白時間を含む秒数で単純に割る方法とは異なります。数値は計算後に表示桁へ丸めています。
実例1:EURUSD・15分足
目立つ上昇の後、高値と安値が下向きの帯へ移った例です。上側線を越えた後も、旗竿と同じ長さまで上へ伸びたかは別に確認します。


①〜⑥の場所と、線の根拠
| 図の番号 | 足の開始時刻(MT5) | ヒゲの高安値 |
|---|---|---|
| ①高値 | 2026/06/11 22:30 | 1.15888 |
| ②安値 | 2026/06/12 00:00 | 1.15703 |
| ③高値 | 2026/06/12 02:00 | 1.15856 |
| ④安値 | 2026/06/12 04:15 | 1.15605 |
| ⑤高値 | 2026/06/12 06:30 | 1.15741 |
| ⑥安値 | 2026/06/12 08:45 | 1.15562 |
上側の黄色線は、番号を付けた3高値へ直線を当てはめています。2026/06/11 22:30の線の価格1.1590005から、2026/06/12 08:45の線の価格1.1570828へ移る補助線です。これは線上の計算値で、同時刻の実際のヒゲ値そのものではありません。
下側の黄色線は、番号を付けた3安値へ直線を当てはめています。2026/06/11 22:30の線の価格1.1571696から、2026/06/12 08:45の線の価格1.1555245へ移る補助線です。これは線上の計算値で、同時刻の実際のヒゲ値そのものではありません。
最初の番号の位置での上下の幅は18.3pips、最後の番号では15.6pipsです。フラッグは完全な平行ではなく、この程度の幅の違いを含む小さなチャネル候補です。幅の変化が大きいと感じたら、別の形として記録して構いません。
どの足で成立を確認したか
紫の縦線は、2026/06/12 09:45開始の足です。その確定終値は1.15721、同じ足にある確認線は約1.15690。終値が線の上にあるため、この引き方では抜けを確認しています。時刻は足の開始表示で、判断できるのはその足が確定してからです。
測定候補はどこか・残る値幅はいくらか
青緑の旗竿は2026/06/11 19:30の終値1.15088から、2026/06/11 22:30の終値1.15786まで。H=0.0069800です。候補=抜け位置の線1.1568957+H=約1.16388。ヒゲの最高値・最安値で旗竿を測る方法とは数値が変わります。
確認足の終値からこの候補までの価格差は約66.7pipsです。これがチャート上の「残っている幅」です。H全体をそのまま取れる幅とは限らず、実際の約定、スプレッド、手数料、滑りを差し引いた利益を示していません。
形の前180本の局所的な山・谷を同じ条件で調べると、確認終値と測定候補の間に明確な中間点はありませんでした。途中に障害がないという意味ではありません。より左側と上位足の水平帯も確認します。
その後の実際の動きと、想定を見直す場所
抜けの後、最初の15本以内では2026/06/12 10:00開始の足が終値で確認線の内側へ戻っています。これは初動の継続を見直す材料です。2本の線の交点より前だけを対象にした確認です。
確認足の次から90本では、最も高い価格は1.16211で、測定候補1.16388には届いていません。未到達はこの観察区間の結果です。ずっと届かないという予測ではありません。
90本の範囲は2026/06/12 10:00〜2026/06/15 08:15で、価格範囲は1.15561〜1.16211、最後の足の終値は1.16173です。H1なら90時間分、M15なら22.5時間分、H4なら360時間分の足ですが、休場があるため暦上の経過時間とは一致しません。目標の判定はヒゲの接触で、取引履歴や利益の判定ではありません。
直近の反対側の転換点は1.15562です。線の内側へ戻ることに加え、この安値を下回る動きが出るかも見ます。交点を過ぎた元の線を延々と追うより、実際の後続の高値・安値へ観察を移します。
実例2:USDJPY・15分足
短期の上昇後にできた小さな下降チャネルです。上抜け直後には押しがありますが、右側では旗竿の高値も更新して進んでいます。


①〜⑥の場所と、線の根拠
| 図の番号 | 足の開始時刻(MT5) | ヒゲの高安値 |
|---|---|---|
| ①高値 | 2026/09/17 20:00 | 156.092 |
| ②安値 | 2026/09/17 20:45 | 155.965 |
| ③高値 | 2026/09/17 21:15 | 156.056 |
| ④安値 | 2026/09/17 22:30 | 155.923 |
| ⑤高値 | 2026/09/17 23:00 | 156.020 |
| ⑥安値 | 2026/09/18 00:00 | 155.857 |
上側の黄色線は、番号を付けた3高値へ直線を当てはめています。2026/09/17 20:00の線の価格156.08969から、2026/09/18 00:00の線の価格155.99457へ移る補助線です。これは線上の計算値で、同時刻の実際のヒゲ値そのものではありません。
下側の黄色線は、番号を付けた3安値へ直線を当てはめています。2026/09/17 20:00の線の価格155.99469から、2026/09/18 00:00の線の価格155.86279へ移る補助線です。これは線上の計算値で、同時刻の実際のヒゲ値そのものではありません。
最初の番号の位置での上下の幅は9.5pips、最後の番号では13.2pipsです。フラッグは完全な平行ではなく、この程度の幅の違いを含む小さなチャネル候補です。幅の変化が大きいと感じたら、別の形として記録して構いません。
どの足で成立を確認したか
紫の縦線は、2026/09/18 01:00開始の足です。その確定終値は155.982、同じ足にある確認線は約155.971。終値が線の上にあるため、この引き方では抜けを確認しています。時刻は足の開始表示で、判断できるのはその足が確定してからです。
測定候補はどこか・残る値幅はいくらか
青緑の旗竿は2026/09/17 17:00の終値155.634から、2026/09/17 20:00の終値156.065まで。H=0.43100です。候補=抜け位置の線155.97079+H=約156.402。ヒゲの最高値・最安値で旗竿を測る方法とは数値が変わります。
確認足の終値からこの候補までの価格差は約42.0pipsです。これがチャート上の「残っている幅」です。H全体をそのまま取れる幅とは限らず、実際の約定、スプレッド、手数料、滑りを差し引いた利益を示していません。
候補へ進む途中では、形の前にある2026/09/17 04:00の高値156.256も確認します。確認終値からは約27.4pipsの距離です。ここでは形の前180本で前後2本より突出した山・谷のうち、候補との間にある最も近い価格を挙げています。1つの高安だけで強い抵抗帯と断定せず、周辺の反応と上位足でも確かめます。
その後の実際の動きと、想定を見直す場所
抜けの後、最初の15本以内では2026/09/18 01:45開始の足が終値で確認線の内側へ戻っています。これは初動の継続を見直す材料です。2本の線の交点より前だけを対象にした確認です。
その後90本の範囲では、2026/09/18 05:45開始の足が高値で測定候補156.402へ初めて触れています。ただし、その前に線内へ戻っています。途中で想定を見直した後の到達であり、最初の抜けを保ったまま直線的に進んだ成功例とは分けます。
90本の範囲は2026/09/18 01:15〜2026/09/18 23:30で、価格範囲は155.856〜158.042、最後の足の終値は156.840です。H1なら90時間分、M15なら22.5時間分、H4なら360時間分の足ですが、休場があるため暦上の経過時間とは一致しません。目標の判定はヒゲの接触で、取引履歴や利益の判定ではありません。
直近の反対側の転換点は155.857です。線の内側へ戻ることに加え、この安値を下回る動きが出るかも見ます。交点を過ぎた元の線を延々と追うより、実際の後続の高値・安値へ観察を移します。
実例3:EURUSD・15分足
先行する大きな下落の中で反発し、その反発の後に小さな旗を作っています。最初の上抜け後に深く戻り、週をまたいだ後に測定候補へ触れるため、素直な初動の継続とは分ける例です。


①〜⑥の場所と、線の根拠
| 図の番号 | 足の開始時刻(MT5) | ヒゲの高安値 |
|---|---|---|
| ①高値 | 2026/05/21 22:45 | 1.16232 |
| ②安値 | 2026/05/21 23:45 | 1.16114 |
| ③高値 | 2026/05/22 00:15 | 1.16194 |
| ④安値 | 2026/05/22 01:00 | 1.16140 |
| ⑤高値 | 2026/05/22 02:45 | 1.16181 |
| ⑥安値 | 2026/05/22 05:00 | 1.16086 |
上側の黄色線は、番号を付けた3高値へ直線を当てはめています。2026/05/21 22:45の線の価格1.1622430から、2026/05/22 05:00の線の価格1.1614942へ移る補助線です。これは線上の計算値で、同時刻の実際のヒゲ値そのものではありません。
下側の黄色線は、番号を付けた3安値へ直線を当てはめています。2026/05/21 22:45の線の価格1.1613653から、2026/05/22 05:00の線の価格1.1609075へ移る補助線です。これは線上の計算値で、同時刻の実際のヒゲ値そのものではありません。
最初の番号の位置での上下の幅は8.8pips、最後の番号では5.9pipsです。フラッグは完全な平行ではなく、この程度の幅の違いを含む小さなチャネル候補です。幅の変化が大きいと感じたら、別の形として記録して構いません。
どの足で成立を確認したか
紫の縦線は、2026/05/22 07:45開始の足です。その確定終値は1.16143、同じ足にある確認線は約1.16116。終値が線の上にあるため、この引き方では抜けを確認しています。時刻は足の開始表示で、判断できるのはその足が確定してからです。
測定候補はどこか・残る値幅はいくらか
青緑の旗竿は2026/05/21 19:45の終値1.15943から、2026/05/21 22:45の終値1.16200まで。H=0.0025700です。候補=抜け位置の線1.1611648+H=約1.16373。ヒゲの最高値・最安値で旗竿を測る方法とは数値が変わります。
確認足の終値からこの候補までの価格差は約23.0pipsです。これがチャート上の「残っている幅」です。H全体をそのまま取れる幅とは限らず、実際の約定、スプレッド、手数料、滑りを差し引いた利益を示していません。
候補へ進む途中では、形の前にある2026/05/21 14:15の高値1.16150も確認します。確認終値からは約0.7pipsの距離です。ここでは形の前180本で前後2本より突出した山・谷のうち、候補との間にある最も近い価格を挙げています。1つの高安だけで強い抵抗帯と断定せず、周辺の反応と上位足でも確かめます。
その後の実際の動きと、想定を見直す場所
抜けの後、最初の15本以内では2026/05/22 08:45開始の足が終値で確認線の内側へ戻っています。これは初動の継続を見直す材料です。2本の線の交点より前だけを対象にした確認です。
その後90本の範囲では、2026/05/25 01:15開始の足が高値で測定候補1.16373へ初めて触れています。ただし、その前に線内へ戻っています。途中で想定を見直した後の到達であり、最初の抜けを保ったまま直線的に進んだ成功例とは分けます。
90本の範囲は2026/05/22 08:00〜2026/05/25 06:15で、価格範囲は1.15873〜1.16480、最後の足の終値は1.16361です。H1なら90時間分、M15なら22.5時間分、H4なら360時間分の足ですが、休場があるため暦上の経過時間とは一致しません。目標の判定はヒゲの接触で、取引履歴や利益の判定ではありません。
直近の反対側の転換点は1.16086です。線の内側へ戻ることに加え、この安値を下回る動きが出るかも見ます。交点を過ぎた元の線を延々と追うより、実際の後続の高値・安値へ観察を移します。
完成前・抜けた後・想定が崩れた後を分ける
調整中の小さな反発を上昇再開と取り違えないようにします。斜めの上側線は時間が進むほど下がるため、同じ価格の横ばいでも線を越える場合があります。抜けた後に実際に高値が伸びるかも確認しましょう。旗竿の長さをそのまま上へ移した値は参考の測定であり、そこまで動く保証はありません。
測定候補の値幅は、そのまま利益ではありません。注文を考える価格から、想定を見直す価格までの距離も必要です。たとえば候補まで40pips、見直し位置まで60pipsなら、費用前でも値幅の比は約0.67です。候補まで大きく動きそうという印象だけで、許容する損失を広げないようにします。これは計算例であり、掲載例で売買した記録ではありません。
ヒゲと実体の扱いはローソク足の基礎、途中の支持・抵抗は水平線の引き方、局所的な形と全体の流れは時間足とマルチタイムフレーム分析で確認できます。
MT5で同じ読み方を練習する
- 前の値動きが見えるまで引き、銘柄・時間足・5〜6個の転換点を固定する。
- 線の起点を記録し、右側を隠して、ヒゲか終値かという確認条件を決める。
- Hまたは最初の候補を計算し、確認価格から候補までの幅と、途中の水平帯までの幅を比べる。
- 右側を1本ずつ表示して、初動15本とその後90本を分けて記録する。線内への戻り、候補への初回接触、未到達も残す。
- 線の起点や旗竿を後から替えたら、元の判断とは別の候補として保存する。
この記事のような全体図と詳細図を1組で残すと、細部だけ見て相場全体の方向を取り違えにくくなります。成功した画像だけでなく、形が曖昧なもの、抜けなかったもの、目標へ届かなかったものも同じ条件で集めてください。
実例・測定方法の出典
実例:XMTrading MT5の過去チャートを当サイトで撮影。模式図・線・本文・価格計算は当サイト作成です。配信元や足の区切りが異なると高安値も変わります。掲載例に口座番号・取引履歴は含めていません。
一般的な定義・測定方法を確認した資料:Fidelity Investments「Identifying Chart Patterns」、Wiley刊行書のチャートパターン解説抜粋。資料の株式向け成績・出来高の説明を、当サイトのFX・ゴールドの成績へ置き換えていません。測定価格への到達を保証する記事ではありません。
