チャート分析の水平線の引き方|ヒゲと実体のどちらに合わせる?
水平線を引くときに迷うのが「ヒゲの先か、実体の端か」です。ヒゲはその足で届いた価格、実体の端は始値または終値なので、まず何を観察したいかを決めます。この記事ではMT5のゴールド実チャートで2本を比較し、線の引き方と見直し方を説明します。
チャート分析を始めた方が、水平線の基準を自分で説明できるようになるための教材です。線に触れたら売買する、というルールではありません。
水平線は「次に反応を観察する価格」の目印
水平線は時間が進んでも同じ価格を示す線です。過去の高値・安値などに引き、価格が再び近づいたときに、止まる・越える・戻るといった動きを観察します。
下落が止まるかを見る場所を支持線、上昇が止まるかを見る場所を抵抗線として考えます。ただし、線を引いた時点でその価格が必ず支持・抵抗として働くとは限りません。
反発した箇所だけでなく、越えた箇所も同じように記録します。
ヒゲと実体のどちらに合わせる?実チャートで比べる

青い実線は、9月4日16時のローソク足のヒゲ安値です。オレンジの破線は同じ足の実体下端で、この陽線では始値に当たります。実体の端がいつでも終値を表すわけではない点が大切です。
| 基準 | 観察したいこと | 注意点 |
|---|---|---|
| ヒゲの先 | 足が到達した高値・安値 | 短時間の値動きも含む |
| 実体の端 | 始値・終値付近の位置関係 | 陽線と陰線で始値・終値の上下が逆 |
| 終値だけ | 足が確定した時点の価格 | 足の途中にどこまで動いたかは別に見る |
図1では、オレンジ線付近で足が重なる場面も、青線を下回る場面もあります。「たくさん触れている方が正解」とは決めず、同じ基準で越えた場面まで確認しましょう。
迷った場合は、まずヒゲの高値・安値を基準に観察を始め、実体で引いた線との違いを記録する方法があります。最初から利益の出る引き方を選べる、という意味ではありません。
MT5で水平線を引く5つの手順
- 銘柄・時間足・表示期間を決める。例ではGOLDのH1です。別の配信元や時間足を混ぜずに比較します。
- 目立つ山か谷を選ぶ。最初は多くの線を引かず、1か所の理由を説明できる状態を作ります。
- クロスヘアとデータウィンドウで価格を確認する。ヒゲの安値と実体下端を混同しないよう、始値・高値・安値・終値を見ます。
- 水平線を配置する。MT5の「挿入」から「オブジェクト」「ライン」の水平線を選びます。表示名が異なる場合は水平線のアイコンを確認してください。必要に応じて線のプロパティで価格を合わせます。
- 基準と日時を記録する。「H1、9月4日16時、ヒゲ安値」のように、後から同じ位置に引き直せる情報を残します。
時間足の選び方で迷う場合は、マルチタイムフレーム分析の基本も確認してください。上位足で引いた線を見る場合は、線の名前やメモに元の時間足を書きます。
線を越えたらどうする?ヒゲと終値を分ける
同じ「線を越えた」でも、ヒゲだけが越えて戻った場合と、終値が線の外で確定した場合では観察内容が異なります。どちらを確認したいかは、結果を見る前に決めます。
- ヒゲだけが越えた:足の途中で越えた事実と、終値の位置を両方残す。
- 終値も越えた:それまでの支持・抵抗という見方を再点検する。
- 何度も上下を往復した:線だけでは方向を判断しにくいと記録する。
越えた直後に、都合のよい別のヒゲへ線をずらすと、当初の判断を振り返れなくなります。引き直すときは変更前の画像を残し、新しい山・谷を選んだ理由を書きましょう。線を越えてから戻る場合もあり、終値で越えたことだけでも継続方向は確定しません。
練習:同じ足から2本引いて比較する
MT5で過去の足を1本選び、ヒゲの安値と実体下端に色を変えて線を引きます。右側の足を見て「どちらに触れたか」「終値はどちら側か」を記録してください。図1は全期間を見た振り返り例です。未来を隠した予測練習をする場合は、観察時点より後の足を隠して行います。
- 線の元になった日時と時間足を書いたか
- ヒゲ・実体・終値のどれを基準にしたか
- 止まった場面と越えた場面の両方を見たか
- 線を変更した理由を残したか
線を何本引けばよいですか?
本数の正解はありません。近い価格に線を増やしすぎると、何を見たいか分からなくなります。各線の役割を説明できる本数に絞ってください。
水平線と平行チャネルは同じですか?
水平線は一定価格を示し、平行チャネルは斜めの範囲を示します。平行チャネルの引き方では別の作図例を掲載しています。
続けて練習する方へ:実チャートの練習問題と記録テンプレート/ゴールド分析の5手順
操作の参考:MetaTrader 5公式ヘルプ「チャートの表示と設定」。画像は学習用の過去チャートです。将来の値動きや利益を保証するものではありません。
水平線:どの高安値を採用したかを価格で残す
実例はXMTradingのMT5で表示した過去の実チャートです。線と説明は当サイトで追加しました。時刻はMT5足の開始時刻で、日本時間への換算はしていません。緑の縦棒は高値・安値、左の短線は始値、右の短線は終値です。成功例と不成立・未達例を学習用に選んでおり、出現率や勝率を示す標本ではありません。
黄色線は形の中間の高安値②を根拠に引いています。丸い数字だからという理由だけで増やさず、反応の根拠点を記録します。実際の取引ではヒゲ・終値の差やスプレッドがあるため、一本の線への厳密な接触を要求するか、帯にするかも先に決めます。
実例1:GOLD H1、2025/10/21 16:00

谷②の価格が、二つの山の間の支持です。青の目標線と黄色の判断線の役割を混同しない練習です。
| 根拠・経過 | 価格・記録 |
|---|---|
| 点① | 4379.77 |
| 点②=黄色の境界 | 4185.65 |
| 点③ | 4381.35 |
| 紫線の確定終値 | 4173.65 |
| 確認後90本の安値/高値 | 4004.07 / 4188.10 |
答え合わせ:確認後90本では測定目標に未達。同じ90本ではネックラインの反対側への終値の戻りを確認しなかった。
実例2:EURUSD H1、2025/04/10 15:00

山②の価格が、二つの谷の間の抵抗です。上の山の外側ではなく、谷の間の戻り高値を選んだ理由を確認します。
| 根拠・経過 | 価格・記録 |
|---|---|
| 点① | 1.08874 |
| 点②=黄色の境界 | 1.10942 |
| 点③ | 1.09121 |
| 紫線の確定終値 | 1.10962 |
| 確認後90本の安値/高値 | 1.10898 / 1.14733 |
答え合わせ:測定目標へ到達(2025/04/11 03:00)。同じ90本ではネックラインの反対側への終値の戻りを確認しなかった。
実例3:USDJPY H1、2025/04/11 02:00

水平線を突破しても終値で戻る例。線を少しずつ動かして結果に合わせず、最初の価格を固定して観察します。
| 根拠・経過 | 価格・記録 |
|---|---|
| 点① | 148.139 |
| 点②=黄色の境界 | 143.982 |
| 点③ | 148.271 |
| 紫線の確定終値 | 143.742 |
| 確認後90本の安値/高値 | 142.033 / 144.195 |
答え合わせ:確認後90本では測定目標に未達。その後ネックラインの反対側へ終値で戻った(2025/04/11 20:00)。








